DeNAに転職しました

6月13日付でDeNAに転職しました。

転職した理由はいくつかありますが、SIの旧来のビジネスモデルに限界を感じた
のが大きな理由の一つです。

前の会社ではいわゆるSIをしており、仕事の進め方はいわゆる
一括請負+ウォーターフォール型の開発が大半を占めていましたが、
このやり方にはいろいろ問題があると思っていました。

例えば、一括請負という契約形態は成果物が最初の段階でFIXしている場合には
有効に機能するかもしれませんが、ソフトウェア開発では大半のケースでは
成果物がFIXしていません。そのため成果物がFIXするまでの紆余曲折分を
バッファとして工数に積まないとリスクヘッジができませんが、コスト削減
したい顧客からはバッファ分を上乗せすることに難色を示されることが少なく
ありません。そうすると奇跡的にうまくいった場合でトントン、通常は赤字、
ということになってしまいます。

また、ウォーターフォール型の開発では要件定義・基本設計・詳細設計の
フェーズで成果物を定義しますが、ソフトウェアがどうあるべきかについては
実際に使ってみないと分からないことが多々あるため、完成物の顧客テスト等で
仕様変更による手戻りが多発するケースが多く、その分開発効率が低下して
しまいます。また一括請負の場合は手戻り分について顧客に追加費用を請求
することが現実的に難しいケースが少なくありません。

さらにSIの最大の問題は、仕事がコンスタントに発生するとは限らないことです。
大企業のお抱えのソフトベンダならいざしらず、独立系のベンダの場合は
毎回仕事を探してこないといけません。仕事が見つからない場合でも社員を
抱えている分の固定費は発生し続けますので、どうにかしようと単価の安い
案件に手を出したりリスクの高い案件に手を出したりするケースも出てきますが、
そうすると何も仕事をしなかった場合よりも多額の損失を出してしまうことも
少なくありません。

これらの問題をどうにかしない限り会社の先行きは明るくないと思っていたため、
どうするべきかずっと考えてきましたが、とりあえずの結論として
「SI以外でコンスタントな収益源を確立しつつ、SIでは契約面を含めて
アジャイルなアプローチでプロジェクトを進められるような案件を開拓する」
というところに辿り着きました。

そこで社内の上層部に働きかけたりしてこのようなビジネスを実現するため
いろいろ画策してみたのですが、残念ながら会社の方針などもあって
前の会社では僕の思うようなビジネスをすることは難しいことが分かりました。

もう一つ大きな理由として、ソフトウェア技術者でい続けたいという
ことがありました。

前の会社では自分と同じかそれ以上の年齢になるとマネジメントが仕事の主体と
なることがほとんどで、実際自分も最近はマネジメントの役割を
担うことがほとんどでした。

しかしながら、これから先も技術を活かした仕事をしたいという思いが自分の中に
強くあり、それが会社を変えないままでで実現できるか考えたところ、
かなり困難そうだという結論に達しました。

DeNAはいわゆるSIの会社ではありませんが、主にソーシャルゲームによって
「コンスタントな収益源を確立」が実現できており、また実力さえあれば
年齢に依らず技術者でい続けるためのキャリアパスが存在する会社ということで
転職先として考えました。

40代で技術者志望となれば日本のソフトウェア業界では受け入れてくれる
会社はそう多くないと思われますが、「年齢は関係ありませんよ」と快く
受け入れてくれたDeNAに感謝しています。

DeNAで何をするのかはまだ決まっていませんが、優秀な方が多く在籍する
会社ですので、切磋琢磨して技術者として成長して行きたいと思っています。

ちなみに本業ではJavaを使った業務システムの開発をすることはおそらく
なくなりますが、YmirやKvasir/SoraやT2などのオープンソース活動は
続けて行きたいと思っています。